お読みいただきありがとうございます。
sstです。
今回紹介するのは、シッダルタ・カラさんのブラッドコバルトです。サブタイトルは、「コンゴ人の血がスマートフォンに変わるまで」。サブタイトルを見た時、初めは意味が分かりませんでした。皆さんはわかったでしょうか。
以下、Amazonの引用となります。
児童労働、人身売買、電気も水道もない村で1日12時間掘っても支払われるのは1ドル……
コンゴ人の証言を通して初めて描かれた苛烈な搾取。
ロンダリングされるレアメタルの流通の実態を暴露した衝撃のノンフィクション、ついに翻訳!
どんな内容か
一言で言えば、信じられないような搾取の話です。
場所はアフリカのコンゴ。昔から今に至るまで、コンゴ人は搾取の憂き目に遭ってきた、ということが本を読むとよくわかります。
搾取する側は、調査として乗り込んできたヨーロッパ人、コンゴ政府のトップ、そして今は中国です。
コンゴには様々な時代で高い価値を持つ金属が埋まっていて、そのせいで各国から狙われてきたのです。
昔は銅、戦時中はウラン、今はコバルトです。コバルトの多くは、コンゴで取れるそうです。
今コバルトが着目されているのは、EVやスマートフォンを始めとする充電式バッテリーに使われているからです。
コンゴ人がどんな目に遭ってきたかというと、昔であれば奴隷として過酷な重労働を強要され、国内に貴重な金属があるとわかれば政府のトップが自分の利益のために他国に採掘権を売ったり、自分の会社に利益を回したりして国民に還元しなかったり、現代であれば生きるための1ドルを稼ぐために、崩落して死ぬかもしれないようなトンネルの中でコバルトを掘ったり、といったことがずっと続いていたのです。
しかも、コバルトは有毒です。それなのに、素手で、大人だけでなく子供までもが生活のために採掘に従事しているというのだから驚きます。
こうして命がけで掘り出したコバルトは集積所というところにもっていくのですが、そこでも搾取が行われます。
買い取る人間が不当に安く買いたたくのです。
そこで集まったコバルトが徐々に上流の会社へ向かっていくのですが、その頂点には、誰もが知るような世界的な大企業があるわけですね。
ただ、その企業群は、部品や材料の調達の過程ではクリーンな手法でしか入手していない、と主張しているのですが、上記の集積所から集まったコバルトが闇に紛れてそうした企業の関連会社に入っているため、実態としては危険で、かつ児童労働も行われているのに知らぬ存ぜぬを決め込んでいる、ということだそうです。
一番大変な目に遭っている労働者(職人的採掘者と呼ばれる)の上に銃器を持った監督者がいて、その上に仲買人がいて、その上に企業やコンゴ政府がいる、という構図なのですが、そのどこにも最下層に救いの手を差し伸べる有力者がいないので、どうにもならない状態なのではないかと思います。
私たちが当たり前のように使っているスマートフォンのバッテリーも、こうして誰かの犠牲によって作られているのです。
正直、この本を読んだときは、募金でもなんでも何等かの方法で力になりたいと思いました。
この本を読むまでは、こんな人がこの世界にいるとは思いもよりませんでした。
きっと、私と同じように、全く知らないでいる人もたくさんいるはずです。
このことを一人でも多くの人が理解し、少しずつでも世の中が変わっていってほしいと思います。

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